ブルマー - 男を熱くさせる制服誕生の瞬間、エロい意図はあったのか?2

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体操服、ナース服、OLの制服。制服はなぜこんなにエロ心を熱く燃え上がらせるのでしょう。

 

この謎を解き明かすためにリサーチを続ける中で、ある疑問にたどり着きました。

人類史上最初の体操服(具体的にはブルマー)のデザインにエロい意図はあったのか?

 

制服のエロさの秘密は歴史にあるに違いないと考え調べてたところ、とてつもない事実が発覚しました。制服の誕生と進化の歴史を知ることで、制服に対する興奮度合いが増すのです!!

今回は、体操服の起源と歴史にエロい意図が介在していたかを探りにBON VOYAGE。

ブルマーの誕生

時は19世紀。ヨーロッパを中心に女性の権利や性差別の撤廃を主張する女性解放運動(フェミニズム運動)が生まれて間もない頃、女性は胴体をきつく締め付けるコルセットの上にお尻の部分から下が広がるドレスが一般的なファッションでした。

胴回りがキュッとしまって、お尻の部分が大きく演出されるドレス。男性好みの曲線が強調され、男性の目を保養する効果がある一方で、女性の方は痛いわ動きづらいわと、身体的にも象徴的にも女性に自由を許さなかったのです。

 

そんな中、アメリカの女性解放運動家エリザベス・ミラーが1849年に庭仕事用に動きやすい女性用のズボン型の履物を考案します。そして当時女性による女性のための新聞を発行していたアメリア・ブルーマーが、女性の服飾面での自由化の象徴であるこの新しい履物を愛用し始めたと公言したことから、”Bloomers”「ブルマー」と呼ばれるようになりました。

そうです。ブルマー誕生の瞬間、そこにエロい意図はひとつもなかったのです。

 

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上の絵からわかる通り、ブルマーとはもともと、半端丈のズボンなのでした。著名な女性解放運動家がスピーチの際に着用すると、ブルマー協会やブルマークラブといった団体が生まれ、ブルマー舞踏会やブルマーピクニックなどのイベントも勢力的に催されました。もうみんなブルマーのことしか考えてませんでした。

フェミニズム運動の象徴として生まれた女性用ズボンでしたが、保守的な考えを持つ教会などは反発しました。「女性は「ズボンは男性のものだー!」と。今思うと圧倒的にくだらない・・・・。

 

ブルマーの歴史

ブルマーは女性の自由の象徴の他に、ブルマーは健康的な洋服としても注目を浴び、1850年代の終わりまでブルマーブームは続きましたが、その後一旦落ち着きます。

1890年代に自転車ブームが訪れると、女性が自転車に乗る際に便利、ということでブルマーブームは再熱します。

ちなみに1909年にはポール・ポイレットというデザイナーがブルマーファッションからインスパイアされたかなんだかで「ハーレムパンツ」という類似ファッションを広めようとしましたが、そこはみんな「いや、ブルマーでいいわ」と受け入れませんでした。

 

女性用自転車着としてある程度女性のファッションとして定着したブルマーは、やがて体操や、その他のスポーツで女性に着用されました(なぜかテニス以外)。

 

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上の写真でわかる通り、昔のブルマーはやはりエロさは皆無で、むしろかわいい感じでした。1920年代にはブルマーは膝丈より短くなったそうですが、1930年代には、世間一般的に「女性が男性用のショートパンツを履いてもいいじゃん」という雰囲気になり、ブルマーの需要は世界的に減っていきました。・・・日本を除いて。

 

日本に初めてブルマーが上陸したのは1903年。「日本女子体育の母」と称される教育学者の井口阿くりがアメリカ留学から帰国し、スウェーデン体操とブルマーを持ち帰ってきました。この当時のブルマーは先ほどのスウェーデンの体操着のものと同様、モッタリと垂れ広がった形をしていて、「ちょうちん型」と呼ばれていました。

日本ブルマー界が激動したのは、東京オリンピックが行われた1960年代頃でした。オリンピックや国際競技で女子選手がベストパフォーマンスを発揮できるよう、ずり落ちてしまいがちだったちょうちん型のブルマーではなく、ピタッと体にフィットするショーツ型のブルマー、そう、ワタシたち男性が恋い焦がれて止まないあのブルマーの形に近いデザインが採用されたのです。

ブルマーの誕生にも、日本での導入にも、エロい意図は一つもありませんでした。しかし「国際スポーツ行事のスタンダード」という名目を引っさげ、日本男児憧れのエロ制服が我が物顔で全国的に広がってしまったのです。

 

1970年代頃、日本の女子バレーはソ連と並ぶ世界トップの実力を誇っていました。

当時の日本の人々は、世界最強の日本人女子バレー選手たちが海外で活躍する様子を、テレビを通して熱い気持ちで見ていました。

日本国民憧れのスポーツ選手たちが、ふとももが完全に露出するデザインのブルマーを履いていたものですから、同じデザインがまあ全国的に普及しますよね。こうして、エロ心をくすぐる形状の体操服が公然と学校教育の場で日常的に見かけられるようになったのです。

 

しかし、1990年代から、ブルマーに対する世間からの風当たりが厳しくなりました。お尻がはみ出たり下着が浮き出たり・・・男子のエロ心をあまりにもいたずらにくすぐることから、女子中高生を中心に、ブルマー廃止を求めるブルマー反対運動が起きました。

この頃には、ブルマーは一部の男性から熱狂的な性的興奮材料として認知されており、専門のいかがわしいショップで着用済のブルマーを購入する者と、金目当てに売る者があとを立たなかったため、それはそれは教育現場に不適切な代物になっていました。廃止されて当然、と言わざるを得ない状況でした。2005年を最後に(だいぶかかったなオイ)ブルマーは公の場から姿を消したのでした。

 

ブルマーの歴史とエロ

人類最初のブルマーにエロい意図は・・・ありませんでした。そこには、男性社会によって抑圧されていた女性の自由を花開かせようと願う熱い想いしかありませんでした。

欧米で女性解放を象徴するファッションから生まれたブルマーは、その動きやすさからやがて体操服として着用されるようになりました。海を渡り来日したブルマーは、バレー界の女子選手の活躍に後押しされ日本全国の学校に広まりました。

しかし男性社会に抗い、女性の自由とスポーツ界への躍進を象徴した履物、ブルマーは、皮肉にも、性的刺激の強さという理由から女性によって表舞台からの幕引きがなされました。

こんな尊い歴史を背景とするブルマーを大人の動画などで見かけ、性的に興奮する。

なんと贅沢なエロ・・・!

古きエロき時代に想いを馳せるのは、いいですね。